アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎・著読み終わりました。
いつもはバイトの行き帰りの電車の中で読書をしていましたが、どうしても待ちきれずに、寝る前に読み切ってしまいました。
読み終わったあと、悲しすぎて眠れなくなった。
しばらくぼーっとして、そのあとようやく寝ました。
物語は「現在」パートと「2年前」パートが交互に展開されるカットバック形式で、「この現在と2年前がどういうふうにつながるのだろう」という期待感が最初から最後まであります。
椎名
河野
琴美
ドルジ
麗子
シッポサキマルマリ
そしてペット殺しの若者たち。
数々の登場人物とコミュニティが錯綜する中で、徐々に「現在」と「2年前」が近づいていく様は、読んでいてわくわくというよりぞくぞくというか、不安を感じる意味でどきどきしました。
伊坂作品に通じていえることであるのが、物語の中にちりばめられた全ての事物が、のちのちの展開に影を落としているのです。
その影をみつけると、「あっ」「えっ」て思うのです。
この作品でいうと、「たからくじ」「クロシバ」「広辞苑」「日本語」「神さま」「鴨とアヒル」…
数々の事物が、すべてに関わっている。
そして…このお話はとても悲しい。
最後に明かされる真実。動物園の写真。
かなえられなかった夢。
友達の、フクシュウ。
なにもかもが、切なくて悲しい。
久しぶりに小説で泣きました。
きっと何度読んでも泣いてしまうと思う。
それからこの小説には「詳細」がない。
「この後どうなったの」「どう思ったの」「何があったの」という、読者として一番気になる部分が省かれている。
それが良い余韻となって、読後に想像をめぐらせる時間が与えられる。
読後の時間こそが、最大の見せ場であるかもしれないと思う。